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あの日
高校生になって2週間たったあの日、クラスの女子グループに「遊ぼう」と茜が誘われた。
帰り際に申し訳なさそうに手を振ってくれた茜
「大丈夫、楽しんできてね」
「彩花、ごめん。明日は絶対遊ぼうね」
茜が見えなくなるまで私は1人で小さく手を振っていた。
その日から茜は私と遊べなくなった
クラスの女子グループが何度も茜を誘うのだ
付き合いだから仕方がない、と思い秘密基地の近くを通って帰っていた。
「わ、かっこいいじゃん!」
「でしょ!ほら、こっちのジュンくんもかっこいいよ」
「うっそー、断然ヒロくんでしょ」
「いやいやジュンくんだって」
ケラケラと聞こえる笑い声、女子グループの子達と茜の声だった。
__「喜んでもらえてよかった…ここは私達だけの秘密ね」
「うん、約束する。」__
その言葉を思い出すと胸が苦しくなった。
あの約束は茜にとってどうでも良くなったのか……
苦しくて苦しくて、泣きながら家に帰った。
そんな話は3ヶ月も前の話で、その日から茜と私の間に壁があるような気がして、話しかけられなかった。
人間というものは、たったこれだけの事で思い込み、苦しんでしまうものなのだろうか……
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