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また、泣きながら家に帰ると母から何かあったのかと何度も言われた。私は笑って何も無いと何度も言って説得した。
自分の部屋に戻りベッドに身を投げる。
あぁ、疲れた。
茜にも、自分にも…
「…なんで今更……」
なぜ今更私に声をかけたのか分からない。
なぜ1人の時に声をかけたのか
私には分からなかった。
茜とお揃いのぬいぐるみを放り投げる。
散々泣いたせいか、疲れているのか分からないが睡魔が襲ってきた。
そのまま身を縮め、目を閉じ夢を見ることにした
夏休み、2人きりの教室
「彩花、髪切ってあげようか?」
「いいの?じゃあ、お願いしま〜す」
椅子に座り、チャキチャキと茜の動かすハサミの音を聞く
少しすると茜が鏡を渡してきた
「ほら、さらに可愛くなったよ」
「わ、ほんとだ!流石、未来の美容師さんだね」
私が笑うと茜も笑った。
「彩花は可愛いね、すごく」
「え?どうしたの急に」
「なんでもないっ……あ!彩花見て!」
そう言って外を指さす。
空には大きな雲と、鮮やかな色の虹がかかっていた
「わ、すごい」
「ねぇ、彩花…」
「なあに?茜」
「…好きだよ」
一瞬ドキリとした
「大好きっ!」
ぎゅっと抱きしめられ笑顔になる
「私も大好きだよ〜」
そう言って抱き締め返し、笑いあった。
茜の笑顔がぼやけてくる。
いやだ、ずっとこの夢を_
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