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なんでそうなるのか。問題点はそこじゃない。
山ほどありすぎたせいでいつの間にか論点が二択になり雪がケツを掘られ処女を捨てるはたまた弟のケツを掘り脱童貞になっていることに驚いた。
雪は頭を抱え髪を掻き乱すと弟にやんわりと手を止められた。
「雪を困らせたいわけじゃない」
十分に困っているのだが。
「愛してる」
もうそれは聞いた。
雪の盛大なため息に弟が苦笑した。
「あんまり悩まないで」
「……悩ましてるのはお前だろーが」
「あー、ま、そうか。うん。じゃあやっぱり真剣に考えて。あ、それとやっぱり雪を抱きたいかな」
いろいろとどっちだよ。
言っていることとやろうとしていることが矛盾している。
自慢じゃないが雪は流されやすい。
頭では駄目だとわかっていてもいざ迫られると弱い。
それを弟は知っている。
百歩譲って、告白してきたのがただの男で弟ではなかったらと雪は考えてみた。
虚勢していた身体から力が抜けていく。
なんか、もう面倒になってきた。
弟が笑う。
「雪、愛してる」
知ってる。
面倒に負けた瞬間だった。
キスをされるのが毎日の習慣だと人間慣れてくるものだ。
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