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白濁を弟の口内へ放出した雪は弟が飲み干すのを茫然と見つめた。
何故、精液を飲み干せるのか。
愛しているからだと毎度よくわからない返答がくるので言わないが、雪が出来るかどうかと言われたらできない。
独特の鼻につく匂いと粘着質な感じが咽喉を通過することを想像しただけで吐きそうになる。
「信じられね―……」
息を乱しながら雪は自らの手で顔を覆い指の隙間から弟を眺めた。
それでも情事の回数を重ね慣れつつある自分が恐ろしかった。
「雪……」
弟の顔が素知らぬふりして近づいてきたので雪は思わず避ける。
「おい、今、キスしようってんなら殴るかんな……」
「……バレたか」
「当たり前だ」
「怒った?」
怒ってはいない。だが不機嫌だ。
求められると要求に応えてしまう身体、断ったのにも関わらず反応し喜ぶ。
自分の身体なのに制御できないことに戸惑うばかりだ。
「俺は俺自身が信じられない」
身体をこうなることが前提で用意されていた濡れタオルで拭われながら雪はため息を吐く。
「憂い顔の雪もかわいいけど、俺、撮影だから……」
弟が街を歩けば芸能事務所のスカウトをうけることが度々あった。
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