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はじめは断っていた弟に何の心境の変化があったのかは分からないが、現在事務所に所属しモデルの仕事をしている。
そのモデルの仕事がなかったら押し倒されていたと思うと雪は渇いた笑いしか出てこない。
「爛れてんよなぁ……」
雪がポソリと呟いた一言はどうやら弟には聞こえなかったらしい。
「合コン……」
面倒な頼み事を持って来てくれたものだ。
先ほどから勧誘たちに拝み倒されているのだが、雪が合コンに参加するには閻魔大王もとい弟の許可がいる。
許可をとらなければとらないで後が面倒なのは容易に想像できた。
そりゃ女の子と仲良く出来るのならそれに越したことはない。
ただ直近で面倒ごとは御免蒙りたいのが雪の本音ではあった。
断ろうとしてかれこれ十分ほど話をしているのだが今日の勧誘たちは引き下がらない。よほどメンツがいないようだ。
「花が……」
弟が行くならば、と最終譲歩で提案したのだが勧誘その①は食い気味で雪の言いたいことを遮った。
「アイツが参加しちゃったらアイツの一人勝ちになっちゃうじゃん。芸能人だし」
それはそれで雪に対して失礼な話だ。
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