20人が本棚に入れています
本棚に追加
身体に電流が走ったように限界が近づく。
高められた熱を開放しようと身体に力が入る。
すると絶頂を迎えるぎりぎりのところで弟が刺激をやめてしまった。
驚いた雪は思わず息を呑む。
「な、っ?」
弟はしれっと微笑むだけで雪の欲しいものを与えようとしない。
焦れた雪は弟の後ろ首を掴むと引き寄せ睨みあげる。
悪びれることなく不遜な笑みを浮かべている弟を無視して火照る身体を自ら戒めてやろうかとも考えたが、阻止されるのは明白で雪は不本意ながらも自ら弟へ口づけた。
雪からのキスに満足そうな顔をした弟に、ほとほと頭にきたので抗議を兼ねて襟足の髪を引っ張ってやる。
すると雪を宥めるように弟が雪の黒髪に口づけた。
心の中で「このネチネチ魔人め」っとツッコミながら、弟を押し退けるのは相当骨が折れそうなのであきらめた。
「……俺がハゲたら責任とってくれるの?」
「責任なんかとるか。お前なんか、ハゲろ」
弟は眉を下げて笑う。
「ひどいなー」
一々、苛々させてくれる。やり場のない動悸と息切れをどうにかして欲しかった。
「ん、雪」
弟が雪への刺激を再開した。
最初のコメントを投稿しよう!