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第十九章 翔喜との再会
ハルカが珍しく一人で飲んでると、
「お姉さん、一人?」と声をかけられる。
普段はナンパなど片手であしらうのだが、珍しく振り向くと
「ハルカ姫!」と大声で呼ばれた。
店中の客が振り向き
彼は眉をひそめながら男を見る。
どこかで見た顔だが、思い出せなかった。
坊主に近い角刈りの短髪で
ジャニーズにでもいそうな甘い顔のイケメン。
と、そこまで思った時ハルカは思い出した。
「……翔喜さん!?」
「せや、ずいぶん変わったから分かれへんかったやろ?」
ホストクラブ優でのカッター切り付け事件以来
美容室にも来なくなったので
すっかり久しぶりだった。
あの時の水っぽさが無くなり、
すっかり好青年という風貌に変化している。
ジャラジャラと着けていたアクセサリーも無く、
シンプルなTシャツにワークパンツを合わせていた。
まるで工事現場で肉体労働でもしているようだった。
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