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第二章 元彼スクランブル
――ハルカさんの元彼といい、佐藤さんの向井といい
「ややこしいことになりましたね。」
アキヒトが、ハルカさんと二人きりになった帰り道でそうつぶやいた。
と、言いつつもハルカさんの元彼に関しては
アキヒトはさほど心配していない。
亀井先生と佐藤さんの事情のほうがよっぽど込み入っていると
彼は思っていた。
「せやな、ユウキ先輩の話し合いもあったな。」
ハルカさんは面倒くさそうに言った。
「アッキーには迷惑かけんようにするから。」
「いや、そんな気を遣わんでください。」
アキヒトが言う。
「亀井先生みたいに金は無いけど
時間ならあるし、話し合いにも付き合いますから。」
「せやな、アッキーにも付き合ってもらった方が話は早いな。」
ハルカさんが言い、アキヒトの手を握った。
彼もその手を握り返す。
ハルカさんのためなら、どこにでも付き合う気だった。
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