第二十三章 色仕掛け

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第二十三章 色仕掛け

アキヒトはずいぶんと距離感が近くなった葵さんに戸惑っていた。 最近ハルカさんとシテいないこともあり、 少し飢えている状態での、接近である。 短めのスカートから、むっちりとした太ももが露わになっている。 ニットの上からも胸の大きさと形がよく分かった。 「なあ、アッキーってモテるよね?」 葵さんが耳元で囁いた吐息で 背筋がぞくっとする。 「そうですか?九州にいた時はそこそこでしたけど 大阪じゃサッパリですよ。 俺なんて大したことないですもん。」 亀井先生をはじめ、他のスタッフがかなりのレベルでイケメンなのである。 大阪に来てから、自分の立ち位置は痛いほどわかっていた。 どうしてハルカさんが自分を選んでくれたのかも不思議だったくらいだ。 ま、初恋の千里さんに似ていたからなんだけどさ。 「そうか?若いし可愛いし、エエ男やで自分。」 とろりとした目付きで言われる。 距離もかなり近くなり、ドキドキしていると手をそっと握られた。 柔らかくて温かい。 “ああ、女の人っていいな。” アキヒトは思わずその手を握り返していた。
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