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第二十六章 色仕掛け その後
“なんだよ、結局からかわれてただけかよ。”
ハルカさんのことしか頭にないのに、
他の女の人に手を出したくなくて断ったのだが
ただ単にからかわれてたんだなと思うと
それはそれでガッカリしていた。
でも葵さんとやらしいことしたら、
ハルカさんに会わせる顔が無い。
一人そんなことを考えながらトボトボと歩いていると
道の反対側に、どこかで見たような人たちが歩いてくるのが見えた。
さらりとした長い髪、
暗くてよく見えないがハルカさんに似てるように見えて
アキヒトは変わったばかりの信号を横断した。
すると彼の隣に、見覚えのある男がいるのが見える。
あれは確か――とアキヒトが気付き
二人に近づいて焦点がハッキリすると
「あっ!」と叫んだ。
ハルカさんに見えた人影は、確かに本人だったが
その隣にいたのはなんと、
ユウキ先輩だった。
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