2024年 1月

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2024年 1月

寒空にひとり闘うカメムシよ夏はあんなに憎かったのに 針千本受け入れられぬ我のキモ注射一本ままならぬのに 忍耐は弱くなるのか本を読むたびに感じる頭痛と共に カラス避けビールとチューハイハイボール 白川村に一歩近づく 耳澄まし川のせせらぎ浸透すBGMと違う何かが 「お名前と生年月日を。」と繰り返され、駆け出しアイドル気分 「プールでおしっこしてええんやったら海でうんこもできるんとちゃう?」 ぷよぷよっぷにぷにぷるんにょーんむに冬眠せんのに蓄えばっちし 皆きっと何もせぬこと耐えられず仕事を託し次の仕事へ 後輩のビジネスへの熱い想い世間に届けばいいなと願う 彼女のエロいケツ、シュッとしたくびれ遠目で見るとニンニクみたい 早く起き余裕を持って準備するしあわせのコツ今日思い知る 「東京の満員電車は神戸の何倍だろう。」ため息はせぬ(!) 目を覚まし携帯を見る通知来ぬ 無音の怒りビリビリ聞ゆ ブロッコリ栄養満点ブッコロリ茎はコリコリ頭はブロロ 怒りの激おこ風々丸がまくら投げてくる あ、弟のこと。 私の手離れたこども期待とは常に違ってそれがおもろい 後輩がバトン受け取りごぼう抜き「第一走者が良かったからやな」 手を繋ぐ軌跡を噛み締め大好きを味わう温くて小さいおてて 小さな靴下を渡す女の子 禿げた頭も愛しく思う 「1日1時間までよ。」「わかってる。」あとでタイマーこっそりイジろ 丸顔は面長よりも体脂肪多いかららしい しらんけど 歌人です。 1日1歌投稿す。 誰かの心に届けば良いな。 シャチホコのポーズで笑顔のこのおんな、実は名古屋で俺とケンカ中 たとえ俺社会の歯車だとしてもせめて大きな歯車であれ アスパラの頭がもげて洗い場に落つる姿はイモムシのよう 短歌とは影絵のようだ何もかも余白まみれさ輪郭以外 俵万智にたどり着くべく幾たびも詠って送る精子のごとく クジラ、ライト、トンネル、ルーツ、つりざお、推し、芝生、富士山。 この恋は結婚しても続くからやめてほしいなLINEで束縛 蛇口から落つる水滴流れゆき始まるお話続きが見たい 大学の体育会は狂ってる俺もお前も狂って踊れ 4ヶ月振りのみんなにワクワクしピリピリもするゾワゾワもする ふわふわとした哲学を信条に今日も生きるよのらりくらりと フレンチの前菜、寝むる前のハグ、デートの前に読むエロ漫画 起床前のキス、運動する前のプロテイン、セックス後の亜鉛 「ナンパのトゲトゲしさってパイナップルみたいなもんだよ…知らんけど。」 カミングアウトする勇気さえあれば昨日の俺より幸せなはず 我が手から産まれし姉妹ユユとキキ ユユ反抗期、キキは天然 階段を駆け上げる友。階段を一段二段と踏みしめる我 不安という雰囲気なんかに襲われて「そうですね」しか言えずに我は 37度ピッタリの体温計良きメンタルは良き身体から しんどくて不安な時はひたすらに笑って笑って免疫上げろ 強風でオールバックの前髪のそんなあなたも素敵で綺麗 インスタに「良いお年を」と皆さんに目も合わせずに言える幸せ? 喉奥で絡む痰吐く年男 厄を落とせた良い予兆だと 報道の瞬間我は気に留めず真に迫るのいつも後から 5メートル我3人分襲うとて実感湧かぬ津波の恐怖 1メートルで身動きが取れぬそう サンイチイチが頭に浮かぶ 即レスの「大丈夫」きて安堵感 命の価値に色つけるなよ 5円玉6枚入れて我願う 今年も幸せであらんこと 俺とカピバラのツーショットを見せた 祖母のコメント「瓜二つやね」 痰の出る身体引きずり走り込み酸素が消える 「吐く吐く吐くって。」 題「ドイツにて」 「行ってきます。」羽毛布団に声掛ける「手を握らせて。」温もり分つ ドイツでも空は広いの大きいの?上を見上げる子ども心に 空港に着いて気づいた見慣れぬ字 „KIX“ 略称を知る ユーロ紙幣おもちゃみたさに腑に落ちぬ 円安だろうが円贔屓なの 人の波 搭乗のため列をなす コロナお主よどこ行ったんや 顔を見る 機械と化した検査官 いつか彼らを笑わせたいな 原付の音と熱気にあてられて我溶けてゆく台北の冬 にっぽんはまだ手が届く距離にあり セブンイレブン、ウイダーインゼリー 美味い飯きれいなねーちゃんナイスビュー 我認めたしチャイナエアライン 通路席に枕、窓際に足を。三列席の王者、我なり ドイツにて寒空のした息を吸う 少し多めのタバコの匂い 日本人カップル見かけ「あぁ俺も誰かと来たかったなぁ。」ジェラシー。 朝がたのレーマー広場ふと見やり何か始まる予感が胸に ゲーテさん会いたかったです わたしはあなたのおかげで卒論ヤバい 「そこに愛はあるんか?」と。 フランクフルトのパン屋には、愛はあったよ パン一つ優しさ溢るドイツにて性善説を唱えたし我 立ちながら仕事するのが好きみたいゲーテハウスで彼を想起す 偉大なる彼の実家で天才のヒントを探す まあ見つからん 頭振りよちよち歩くハト発見 「海渡ってもアホそうやなぁ」 林檎酒の風味が鼻をスンと抜け青い瞳の青春の影 クリスマスマーケットパワー恐るべし老若男女みんな幸せ メリィゴーランド似合うメルヒェンと回転木馬 サムライの国 1ユーロ払う雉打ち格別かドイツの空に湯気立ち香る 初め嫌いだけど次第に癖になり気づけば親友に。ホットワイン 二日ぶりシャワー浴びると我が宿が実家のように見えなくもない 8時間昼寝はもはやタイムマシン 口惜しき昼初めての夜 日々疎うヒゲ剃りをする異国にて3日ぶりだと気持ちいもんだ 寒き日に孤独を埋める愛求め昨日と同じパン屋リピート ど迫力ケルンの誇る大聖堂 近くで見ると舞茸みたい 喉越しの良いケルシュ飲む 目の前にティーボーン食う無言の女 ドイツ風カツレツの味この俺に思い出させる日本の風 舞茸のビタミンカリウム食物繊維 聖なるパワーに圧倒されし ラブアンドピースを謳う絵師さんよ日本の国旗はこの絵のどこぞ 見つめ合い惹かれ手に取り唾絡め味わい尽くすサンタ型チョコ 水を飲むごくごくごくごくごくぷはぁ多分昼飯のせいやと思う 3万歩歩いた匂いが漂わぬ我が靴下よどうしたんだよ 一晩で生まれる愛も良いじゃない窓から見えるケルンが恋し デュッセルドルフに日本があると期待した愚か者が1人 でかい公園で走る女のかたわらでヒートテックを履く俺 ラーメンは期待以上に日本だわ 惜しまず払う8.5ユーロ イケおじに私はなりたい目の前の日本語話すドイツ人見て ケーニヒスアレーが似合う老夫婦 手を繋ぎあい愛を語らう Regen(レーゲン)をあつめて早しライン河 芭蕉と我は並んで見つめ 「好きじゃないけど記憶にのこるのってあるよな、アルトビールはまさに」 CGの偉大な彼は直立し凡夫の我は深々座る 午後8時深く寝ぬ我かたわらにヒソヒソ声で聴こえる英語 味噌汁の代わりに飲むプロテイン米の代わりに食うプロテイン ドイツ語で駅員さんに連れられて小さな旅を電車内でも 「イラッシャイマセ。」素敵な笑顔で言うケツとタッパの大きなオンナ 「さっきまであんなに愛想良かったやん。なんで突然そっけないねん。」 手を繋ぎ持って帰るかアンペルマンたくさんいるし1人くらいは 君の声きっと誰かに届くはず応援するぞ異人の我も セールスの心得その一「小汚い旅人も客、営業かけろ」 激流の川を悠々泳ぐ鳥のような飛び方我もするする 「忘れてた、哲学者の道、行ってない。」「きっと君には縁がないのさ。」 題「キティへのお見舞い」 我が土産おっさんアヒルと呼ぶキティリーゼントヘアは世界共通 体重は飛べる軽さでありつつも歩けない祖母 自由は得れず 「名前をつけることになったよ。」と祖母 土産には付す発想の自由 「ジャック」と言う名をつけはしゃぐ祖母見てユーロ紙幣の軽さを偲ぶ 題「アルバイト」 師走という字が本領を発揮する  店内駆ける俺とマスター 激混みの店内片し見た通知 俺誕生日か「フフッ」とゆるむ 顔出すとキッチン壊滅「どうした?」と。 「増田くんが来ない。」と涙目 題「誕生日」 生まれた日 特別な日と思うから期待しすぎて期待しすぎて… 私の日不幸の種を引き寄せる 今年はケンカ、タイヤのパンク 妹と母が議論す我のこと 鼻がむずむず夜中に目覚め 歳を経て思えば我と歩を合わす俊足の人、鈍足の人 成長期まいにち目線が変わるから時の流れが早いんだろな 23ゆっくり老化する我よ動けときめけ退屈ならば 題「ばあば」 先刻に母に言われたばあばの死 ズンと重たくズンと重たく 肌につくひんやりとした雰囲気は身体のうちから滲み出るのか 連絡に泣きの絵文字も分別がない心地にて裸体のLINE 隣に死感じたからこそ生きるため今日も私は筋トレをする 談笑をピタリと止ます白い苔のような肌がひんやり薫る 秋の鉄筋コンクリートみたいな肉塊に魂を吸われた わしゃわしゃと父が頭を撫でるとき呑まれてしまう涙の雰囲気 「1ヶ月前はリハビリしとったのになぁ。生きるためにやっとったのに。」 跡形も魂感じぬ納骨に喉から現るほとけに合掌 ばあばの死より父さんのありように涙す我は薄情野郎
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