第一章 雪深々(しんしん)と積もり、音も無く夜が来る

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第一章 雪深々(しんしん)と積もり、音も無く夜が来る

 代休や有休が山のように溜まっていた本村が、山の中の別荘で、温泉三昧すると言い出した。 「夏目、行くぞ!」 「え?俺も行くの?」  公安に確認してみると、相馬は本村の休暇を先に知っていて、既に調整済になっていた。 『夏目も行っていい。保護者が不在では、心配で家に帰せないだろう』 「俺は成人男性ですよ」  否定はしたものの、電話を切ると、自分の姿を確認してしまった。
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