第十三章 こんな日に来る者は、悪魔か天使

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「勘違いしていた。池上を殺したのは、優樹菜だったのか……」  犯人が優樹菜であれば、やった行為の意味も分かってくる。  池上は、真っ当な人間という皮を被っているが中身は、エゴと欲望でしかなかった。だから、優樹菜は池上の本性を確認するかのように革を剥ぎ、ただの肉だった父親を確認した。  父親ではなくただの肉ならば、もう、言う事を聞かなくてもいい。優樹菜は、父親の皮に満足すると、スーツの横に並べ、家を出てゆく。 「女性は強くて、男は弱いな……」  男は、切腹に代表されるように、群れから外れたら死のうとする。だが、女性はしたたかに、自分の復讐を終えても、生きてゆく。 「村上は、多分、相良の子供を助けた……」  複雑に絡み合う人間関係は、心が見えない分、ややこしい。 「チビ1、村上は今、どこにいる?」 「探します!!!!」  チビ3に、この家のセキュリティーを任せ、チビ2は本村と、西海の通信の補助に回って貰った。
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