呪われた遺跡

４．洞窟調査書

報告その２（聞き取り記録）
調査チーム　作業員（ポーター）　カムロ・ハムラ

　具合が悪くなったヘムラを洞窟の外に運んだのは私です。
　ラルヒ隊長がヘムラを外に出すと決め、ポーターのリーダーだったミコが私を運搬役に選んだのです。その決定が下された時、すでにヘムラは身動きできないほど悪くなっていました。私は、発掘用の機材を積んだそりを空にして、ヘムラ用の担架にしました。
　チームはここまで洞窟を下るのに五日を要しました。でも、そのうち、行く手を塞ぐ土砂を取り除くのに四日かかりましたので、その時点で実際に下ったのは数百メタしかありませんでした。
　でも、そこから出るということは、下ってきた道を逆に登るということです。しかも、ヘムラを乗せたそりを引きながらです。傾斜は緩やかでしたが、かなりの体力を消耗しました。入口に辿り着くまでには丸一日かかりました。