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5.途切れた調査書
調査報告書は残り一枚。上奏書や聞き取り報告書が印刷されていたのに対し、最後の一枚は、恐らく曽祖父の手書きだ。
<洞窟の概要>
1. 本坑は長さ五千メタ。最終的には行き止まり
2. 入口から二千メタは斜度がきつく、つづら折り。途中数カ所に埋め戻し跡あり。
3. その先はほぼ平坦な二千メタが続く。通路は曲がりくねっている
4. 最後の千メタは再び傾斜が急になる。
5. 通路の所々に壁画あり(図形と古代数字)
6. 本坑のほか、三つの立坑
7. 本坑の行き止まり地点に広場がある。ほぼ粘土で埋められている。
8. 広場のある地点は、地表から垂直に約四百メタ
<被害状況>
・死者 十七人(症状は血圧低下、粘膜からの出血などで治療法不明。原因は不明)
いずれも洞窟終点の広場まで下りた者たち。調査終了後に発症したもの多数。
・重症者 九人(王立療養所にて隔離中)
いずれも最低部に赴いたもの。大半が調査終了後に発症、重症化した。一人を除き、症状の回復が見込めない。回復したひとりも隔離措置を継続。
・軽症者 二人(すでに回復するも、隔離中)
いずれも調査開始から二日で洞窟を脱出している。
・発症者からの二次感染は認められない。
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