6.テッドの助言

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6.テッドの助言

 王立アカデミーが闇に葬った大発見を、僕のような考古学者の卵が一人で解明するのは、さすがに荷が重い。だが、幸い僕には頼りになる友人がいた。  テッド・ウインは僕と同じ歳で、学校も同じだ。カー一族のような永世理事ではないが、テッドの父上はアカデミーの理事で、テッド自身も学校を首席で卒業した秀才。数年以内にアカデミー学術委員に推挙されるであろうと噂されている。学術委員は将来の理事候補だ。  テッドは秀才にありがちな気難しさや堅苦しさは微塵も感じさせない。誰にでも好かれる気さくな性格だ。永世理事という特権階級にあり、どちらかといえば同級生から妬まれ、疎まれていた僕に対しても、分け隔てなく接してくれた。学業だけでなく、遊ぶ時はいつも一緒だった。もっとも最近はともに多忙で、顔を合わす機会は少なくなっていたが…。
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