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7.王立ホルムン療養所
アカデミーが組織を挙げて秘匿した真実には危険が伴う。勇気あるテッド・ウインは調査に協力すると申し出てくれたが、僕は断った。彼に迷惑が掛かることを恐れたからだ。
ここから先は一人で調べを進めることにした。だが、テッドは「穴倉」での検討会議の最後に、曽祖父の書簡の中から、調査の手がかりを一つ見つけてくれた。
「ここを良く読んでみろよ」
テッドが示したのは、手書き書簡の一節だった。
「重症者は症状の回復が見込めないと書いてある。恐らく数期のうちにそのまま亡くなったのだろう。だが、一人だけ回復して隔離された人がいる。九十期も前のことだから、本人はもちろん、当時のことを知る人は死んでいるだろうが、彼、もしくは彼女に関する記録が残されている可能性はあるんじゃないか。手がかりはそこしかない」
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