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僕はそう決心して、身分証を出した。
「私の父はデュラン・カーです。調査を拒否すると、アカデミーが黙っていませんよ」
身分証は特権階級であることを表す黄金色の縁取りがあった。
途端に警備員の目の色が変わった。
「少々お待ちください」
老人は詰め所に入り、内線電話で何やら相談していた。やり取りはすぐに終わった。
「あなたも人が悪い。最初から身分証を提示してくれれば、すぐにお通ししたのに」
警備員はバツの悪そうな顔をした。
「いえ、こちらこそ事前に連絡せずにすみません。あなたの職業倫理は素晴らしいですね。アカデミーにきちんと報告させていただきます」
老人の頬に赤みが差した。
「どうぞお入りください」
僕の目の前で、重そうな鉄の扉が開いた。
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