2.遺言

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<重荷を恐れるならば、全てを忘れてほしい>  これは曽祖父が発する最大限の警告だ。アカデミーの理事として、国の科学界の中枢にあった人物の言葉が誇張や冗談であるはずはない。 僕は正直、少し恐れた。だが、最初に読んだときから、その秘密とやらを「知りたい」という欲求が、恐れに打ち克つことを予感していた。  そして、その予感の通り、僕は覚悟を決めて、箱の中身に目を通し始めたのだった。
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