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バハルはアメルとドロテアの方を見た。
「…………っ」
アメルは涙をぬぐい、呼吸の止まったドロテアを体から離した。
「……さない」
ドロテアをゆっくりと地面に下ろし、床に落ちた短剣をまた拾い、立ち上がる。彼女の右ももから血がまた溢れ出す。
「絶対、許さないから、あなた達。特にあなた、ミシュカ」
右手の短剣をミシュカの方角に刺す。
ミシュカが慌ててバハルの後ろに隠れた。
「た、頼んだわよ、用心棒」
「はぁ」
バハルが剣を構えた。
アメルがミシュカを睨む。
「この臆病者!自分で戦いなさい、」アメルは二人に向かって突進した。「ミシュカ!」
その叫び声が、ドロテアが最後に聞いたものだった。
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