<9・Truth>

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『●月●日。  何かがおかしい。  お腹が痛いことを奥様にお伝えして、お薬を頂いてから余計にそれを感じるようになった。  腹の中が、むずむずするような気がする。お腹の痛みと共に、何かが這い回っているような感覚を覚える。  痛いところを抑えて見たら、明らかに掌の下で何かが蠢くのを感じた。私の身体に、何かが寄生しているとでもいうのだろうか。  それとも、私は何か、妄想にでも取り憑かれているのか?麻薬のような恐ろしいものに、手を出した覚えなどないというのに』 『●月●日。  どうして  お腹が痛くて、痛くてたまらなくてトイレに行った。出しても出しても排泄が終わらなくて泣きたくなった。  お尻が痛い、何かもぞもぞする。そう思ってトイレを見て悲鳴を上げた。  なんで、私の中から 蛆虫があんな あんなに  なにがおきて』 『●月●日。  私のお腹の中には蛆虫がたくさんいるというのか。だからこんなに痛くて、痛くて、最近はずっと夜も眠れないくらいにもがき苦しむ羽目になっているんだろうか。  怖い。  もし、そうなら。お腹が痛くなったのは、この家に来てからで  ごはんのなかに なにかが それしかかんがえられない』 『●月●日。  お腹が痛い痛い痛い痛いいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいいいいたいたいたいいたいいたいいたいいいいいいたたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい』 『●月●日。  ひどいにおいがする  くちからも おしりからも血が出た もうおさまらない ずっとおなかいたい、くるしい』 『●月●日。  だれかたすけて しんじゃう』 『●月●日。  助かるためにはもう、なんとかするしかない。泣いていても誰も助けになんかきてくれないんだから。  もし、かぞくが私に蠅の卵を盛ったなら、それはなにか意味があるはず。  そしてふつうの蠅ではないはず。胃を通っても消化されず、腸までとうたつしてこんなにわたしを苦しめているのだから、きっと特別なはえだいたいくるしい  その正体をみつけて、追い出さないと このお屋敷のお医者さんはしんようできないし、だれかにたよることなんかもうできないから。貴族のひとがおそろしいことをしているなんて、誰も信じてくれやしない。そもそもこのエルガーとの家は、修道会にみとめられた魔法を使う一族で、もしかしたらみんなグルなのかもしれないんだから。  とにかく探さないとくるしい わたしまだしにたくない』 『●月●日。  蠅の王のいしだって、本を見つけた。悪魔を追い出す方法 どこかにあるはず どこか』 『●月●日。  ひどいもう もうがまんもできない くるしい  にげたい 日記なんかもうかきたくもないのになんでこんなこと  おなかいたいよ いたい』 『●月●日。  ああ  べるぜぶるさま』
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