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▼1話目
暗かった瞼の中が明るくなった。
つまり朝ということだ。
まだ起きる気にはなれなくて布団に潜る。
と同時にスマホのアラームが鳴り出した。
『…タイミング悪…』
いやいや目を開けてアラームを止める。
私の朝は大体ここから始まる。
…寝坊しない限りは…ね。
体を起こしてひんやり冷たい床に足を降ろす。
この真夏にはちょうどいい。
ハンガーに掛けておいた制服を手に取る。
『なんか小さくなったなぁ…』
買った当時より大分サイズが小さく見える。
まあ、仕方ないことだけど。
さて、そろそろ準備しなければ隣のヤツと遅刻することになる。
あ、隣のヤツとは私の幼馴染のころんの事だ。
ころんは私が起こさない日は絶対2限目に授業に参加する。
で私に文句を言ってくるもんだからめんどくさい。
自分が起きなかったのが悪いっての。
そんな事も言ってられず私は毎日起こしてあげている。
優しすぎ。←
『リボンが整わないな…』
頑張って直そうとするも、こういう時に不器用さが出てくる。
『はぁ、……』
思わずため息がでる。
時刻を見ると針は6時50分だった。
『やばい、起こしに行かなきゃ…』
バッグを肩に掛けて私は外へ出た____
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