化ケ物殺シ

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化ケ物殺シ

「誰か!誰か助けてぇ!」 闇夜の中で恐怖の叫びが木霊する。 恐怖に顔を歪ませながら逃げる。 「──シャア!」 人ならざる者の声が響いた。気味の悪い、化ケ物が、自分に襲いかかってくるのだ。 あぁ、もうダメだ。自分は殺される。 そう、覚悟した時。 「ギャッ!」 ボトリ、と。化ケ物の首が落ちた。 化ケ物の後ろには一人の少女が立っていた。 手には刀が握っていた。 髪は黒く、ショート。肌は白く女子にしては少し高い背丈。だが、体は細い。 ただ、一番目立ったのは顔を隠されている狐のお面。 少女は襲われた人に近づいた。 「手、怪我している。大丈夫?」 「だ、大丈夫」 とは言え、出血は止まっていない。少女は白い手拭いを取り出し手に巻き付けた。 それが終わると少女は立ち上がりその場を去ろうとした。 「ま、待って!」 「……何?」 「あなたは、何者なの?誰なの?」 少女は少し考えるような動作をとった。 そして、 「──化ケ物殺シ」
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