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「イヤか? ダメだったか?」
「嬉しい、です……」
そう、これは嬉し涙。
徹に抱かれながら、その温かさを味わいながら、樹里は思った。
(また、新しいカンバスを買わなくちゃ)
徹の魅力が、また一つ見つかった。
それを、新しいカンバスに描こう。
徹さんへの想いを、湊への愛情を、いずれ訪れる新しい命への祝福を、カンバスいっぱいに表現しよう。
「ありがとう、樹里」
徹が、頬ずりしてきた。
樹里も、それに応えた。
心の中は、愛でいっぱいだった。
この世の全てが、愛に満ちていた。
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