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 極力面倒なことには関わりたくないため警察などの第三者機関に相談することも考えましたが、成り行きとはいえ自分で飼っていた金魚ですし、なにより金魚が人間になったなどと言ったら自分が病院送りにされてしまいそうな気がしたのでやめました。  元々金魚ですから金魚のエサを食べさせてもいいのでしょうが、人間になってしまったので金魚のエサを食べたらお腹を壊すかもしれません。金魚のエサはお預けです。 「みっつ」  きぃは小さな肩を落とします。  可哀相な気もしますがこの約束が一番重要です。 「みっつ……きぃがユーダイの幸福金魚ということを言ってはいけない……」  きぃが金魚ということは誰かに言う必要がないと思っています。というのも、きぃの言う幸福金魚とはどうも珍しい金魚らしいのです。  俺もパソコンで調べただけの俄知識なのですが、幸福金魚とは一部金魚愛好家には幻の金魚とも言われており、出生は一切不明。おもに主に幸福を齎すとのこと。  そのため幸福金魚を巡って争っていた国があったり、なかったりーー……
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