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雀が鳴いて、爽快であってほしい朝。
それなのに、目覚めの気分は最悪です。
懐かしい夢でした。でも夢なのであんまり覚えていないことにします。
基本プラス思考でいたいですから。
「ユーダイ、うなってた。だいじょうぶ?」
俺は声のした方を黙視すると頭を抱えました。
いきなりですが、俺の頭がおかしくなったとは思わないでください。
俺の頭は非情にも正常に働いていると思うのです。
ただ、だからこそ自分の状況がかなりおかしなことになっているのは理解しています。
俺事、中田雄大は寝癖頭をかきながら溜め息を吐きました。
「今日もすき、すきぃ、だぁいすきだよぉ」
鈴のようなかわいらしい声である持ち主の見た目は異国の血を引く男の子。
銀髪に毛先が橙の美しい長髪を靡かせ、くりくりとした紅瞳をキラキラと輝かせながら、なぜか真っ裸で俺に抱き付いています。
「ユーダイはきぃのこと、すき?」
そしてかれこれ何度も好きと言っては好きかと聞くのです。
それにしても男の子のざっくばらんな感じはなんなのでしょう。
頭が痛くなってきました。
一応言っておきますが俺は断じて幼児趣味ではございません。
小さな男の子を真っ裸にして喜ぶなんて有り得ない。
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