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俺は起きてから何度目なのかもわからなくなってきた溜め息を吐くと、とりあえずきぃに服を着せなくてはと思いました。
「おごっでなぁい?」
しゃくりながら目をあまりにも擦るのでそれを辞めさせようときぃの両手を抑えました。
「ああ。怒ってない……あ、コラ、目を擦るな」
きぃの皮膚や目が赤く腫れてないかを覗きこんで確認していると、柔らかいモノが唇にあたりました。
一瞬触れて離れていったモノに我を失っていると、もう一度柔らかいモノが触れてきて血の気がだんだんと引き、思わず頭突きをかまします。
「いだいよっ、ユーダイっ」
きぃはおでこを抑えると唇を尖らせて怒っています。
怒っていると思ったら次の瞬間にはパッと明るく笑います。
(まぁ、なんて幸せそうに笑うんでしょうね)
でもこのパターンの笑みは厭な予感がします。
「ユーダイ、えっちしよ?」
「…………」
俺はきぃに笑顔を向けると無言で引き離しにかかりました。
大人の力を持ってして全力で服を着せようと決意する瞬間です。
「やぁっ」
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