527人が本棚に入れています
本棚に追加
6.洋服の移動販売
今回は、妹が、洋服の移動販売をしていた時の事を書かせて頂きます。
妹は、スーパーや、八百屋さんとかの駐車場や、出入り口の近くの軒下とかの、ちょっとしたスペースを借りての商売です。
洋服用ハンガー3本ぐらいと、ダンボールを少々、並べるぐらいのスペースです。
4畳半ぐらいの、農家さんの、小さな作業場も借りました。
「こんな所で、いいのがい?」と私。
「うん。こうゆう所が、私には合ってるんだよ、最高だべした。」と妹。
移動販売は、雨や、風の日はアウトなのです。
洋服の仕入れは、新幹線で、東京の問屋さんまで行ってました。
頻繁に、行く事が出来ないので、何軒かはしごをして、洋服いっぱいの、風呂敷包みを背負い、両手いっぱいの荷物を持って、東京の街を歩き、新幹線で帰宅します。
お昼ご飯を食べる時間もなく、一日、精一杯動き回ってくるので、次の日はよくダウンしてました。
「風呂敷しょって、東京歩って来たのがい?」と私。
「んだよ、なんで?」と妹。
「えぇぇぇぇ!」
「私、そんなの全然平気なんだ……ちっとも気になんねぇし、恥ずかしくもねえ」と。
化粧はバッチリ、ロングヘアーのクルクルの巻き髪、ヒラヒラのロングワンピース、それに風呂敷を背負い、両手いっぱいの荷物…
ビックリです。
私には、出来そうにありません、やりたくもありません。
ある時、私の仕事が早く終わったので、近くのスーパーで販売してると言うので、内緒で見に行きました。
そのスーパーでは、駐車場の一角を借りての販売でした。
「お!やってるやってる」と思い近付いてみます。
「ん?」洋服は並んでいます。
登り旗もあります。
妹が居ません…
「え???どうなってんだ?」
お客様が、洋服を手に取って見ています。
「え?お客様が見てる、チャンスなのに…」
「いらっしゃいませ」私。
つい、声が出てしまった…職業病でしょうか…
すると、洋服の後ろから、ビックリした顔をして妹が出て来ました。
「えぇ!そんなとこで、何してんの?」
「だって、恥ずかしいんだもの…」と妹。
「何やってんの!そんなんで、商売になんねぇべした。」
「だって…恥ずかしいし…お客様にすすめるのは、押し売りみたいでイヤなんだもの…」と妹。
「バカじゃねぇの?そんなんじゃダメだべした。買ってくれるお客様も、買わずに帰っちまうべした。はい、大っきい声出して!」
私は、大きい声で言いました。
「いらっしゃいませ~どうぞ見て下さい」
お客様に、一着でも売れたら自信が付いて、声を掛けたり出来る様になるんじゃないかと、思いました。
本当に、どうしようもない妹です。
すすめるのと、押し売りの区別も出来ないのです…あんぽんたんです。
私の働いている、後ろのスーパーでも、販売をしていました。
なんと妹は、売り場を離れ、私の所で食べたりくっちゃべったりして、呑気にしてるのです。
商売、する気があるのか、ないのか分かりません。
「このままじゃ、ダメだ!」と思った私は、妹の売っている、洋服を着て、お店の前でモデルのような歩きをし、ポーズを取るのです。
「いや~凄いわ!」と妹。
毎日毎日が、そんな感じで過ぎるのです…
私達姉妹は、本当にあんぽんたんです。
正直に言いますと…小説は、私が書いていますが、打ち込みが出来ず、娘に手伝って貰ってます…
私も、妹も、スタッフや、家族に手伝って貰えないと、何も出来ないのです。
妹に、小説の読み方を、説明したのですが、妹は、読むことが出来ず私の娘が、LINEで送っているのです。
「なんてこったい(笑)」です。
最初のコメントを投稿しよう!