私の妹は霊能師

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6.洋服の移動販売 今回は、妹が、洋服の移動販売をしていた時の事を書かせて頂きます。 妹は、スーパーや、八百屋さんとかの駐車場や、出入り口の近くの軒下とかの、ちょっとしたスペースを借りての商売です。 洋服用ハンガー3本ぐらいと、ダンボールを少々、並べるぐらいのスペースです。 4畳半ぐらいの、農家さんの、小さな作業場も借りました。 「こんな所で、いいのがい?」と私。 「うん。こうゆう所が、私には合ってるんだよ、最高だべした。」と妹。 移動販売は、雨や、風の日はアウトなのです。 洋服の仕入れは、新幹線で、東京の問屋さんまで行ってました。 頻繁に、行く事が出来ないので、何軒かはしごをして、洋服いっぱいの、風呂敷包みを背負い、両手いっぱいの荷物を持って、東京の街を歩き、新幹線で帰宅します。 お昼ご飯を食べる時間もなく、一日、精一杯動き回ってくるので、次の日はよくダウンしてました。 「風呂敷しょって、東京歩って来たのがい?」と私。 「んだよ、なんで?」と妹。 「えぇぇぇぇ!」 「私、そんなの全然平気なんだ……ちっとも気になんねぇし、恥ずかしくもねえ」と。 化粧はバッチリ、ロングヘアーのクルクルの巻き髪、ヒラヒラのロングワンピース、それに風呂敷を背負い、両手いっぱいの荷物… ビックリです。 私には、出来そうにありません、やりたくもありません。 ある時、私の仕事が早く終わったので、近くのスーパーで販売してると言うので、内緒で見に行きました。 そのスーパーでは、駐車場の一角を借りての販売でした。 「お!やってるやってる」と思い近付いてみます。 「ん?」洋服は並んでいます。 登り旗もあります。 妹が居ません… 「え???どうなってんだ?」 お客様が、洋服を手に取って見ています。 「え?お客様が見てる、チャンスなのに…」 「いらっしゃいませ」私。 つい、声が出てしまった…職業病でしょうか… すると、洋服の後ろから、ビックリした顔をして妹が出て来ました。 「えぇ!そんなとこで、何してんの?」 「だって、恥ずかしいんだもの…」と妹。 「何やってんの!そんなんで、商売になんねぇべした。」 「だって…恥ずかしいし…お客様にすすめるのは、押し売りみたいでイヤなんだもの…」と妹。 「バカじゃねぇの?そんなんじゃダメだべした。買ってくれるお客様も、買わずに帰っちまうべした。はい、大っきい声出して!」 私は、大きい声で言いました。 「いらっしゃいませ~どうぞ見て下さい」 お客様に、一着でも売れたら自信が付いて、声を掛けたり出来る様になるんじゃないかと、思いました。 本当に、どうしようもない妹です。 すすめるのと、押し売りの区別も出来ないのです…あんぽんたんです。 私の働いている、後ろのスーパーでも、販売をしていました。 なんと妹は、売り場を離れ、私の所で食べたりくっちゃべったりして、呑気にしてるのです。 商売、する気があるのか、ないのか分かりません。 「このままじゃ、ダメだ!」と思った私は、妹の売っている、洋服を着て、お店の前でモデルのような歩きをし、ポーズを取るのです。 「いや~凄いわ!」と妹。 毎日毎日が、そんな感じで過ぎるのです… 私達姉妹は、本当にあんぽんたんです。 正直に言いますと…小説は、私が書いていますが、打ち込みが出来ず、娘に手伝って貰ってます… 私も、妹も、スタッフや、家族に手伝って貰えないと、何も出来ないのです。 妹に、小説の読み方を、説明したのですが、妹は、読むことが出来ず私の娘が、LINEで送っているのです。 「なんてこったい(笑)」です。
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