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その日は恋にうつつを抜かす暇もないほど忙しくて、正直助かった
ユノさんと二人きりになったら‥きっと、あの事を思い出して上手く笑えないと思うから
それに、何か言ってしまいそうで‥
作り笑いを浮かべて接客をするも、考える事は二人のことで、なんとも言えないモヤモヤが、心も身体も支配していた
気になるのに聞けない…
二人の関係。
でも、ユノさんの口から真実を聞いてしまったら、俺の心は壊れてしまいそうで‥ 必至に心を取り繕った
「そろそろあがって良いぞ?」
「あ、はい。分かりました」
俺は、やりかけの仕事を片付けると、ロッカールームに向かった
汗をかいたけど、シャワーを浴びるのは止めておこう・・
そして急いで着替え、帰宅準備を済ませた
「お疲れ様でした」
「あ、お疲れ」
まだ接客中のユノさんの背中に挨拶をして
俺は足早にカフェから出て行った
「はぁ・・」
ユノさんが接客中でよかった
今は二人きりにはなりたくなかったから
翌日は学校も休みだし、朝からカフェのバイトが入っていた
行きたくはないけど、バイトとして必要とされてる事が何よりも嬉しかったから、裏切るようなことは出来ない
それに、カフェでの仕事は楽しい
私的感情を除けば、とても働きやすい環境だとも言える。
結局いろんなことを考えすぎて、バイト時間ギリギリセーフでカフェに到着した
「おはようございます」
「あ、おはよ?」
「ユ・・ユチョンさん・・」
「ジェジュン、今日は私服か~?私服のがいいね」
「そ・・そうですか??」
「うん、オシャレ。俺と美的感覚合いそうだな~」
「ありがとうございます」
いつも通りのふにゃりとした笑顔に、意識しすぎてる俺の方が恥ずかしくなった
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