22人が本棚に入れています
本棚に追加
〜再会〜
向かい合うようにユンホさんも腰掛けて、長い脚を組んだ
「君、最近良くうちの店にくるんだって?」
「ぇ?、、あ‥はい‥」
なんで知ってるんだろ?
「お店、気に入って貰えて嬉しいよ…」
「あ‥いえ、凄く美味しくて‥ほんとはケーキ苦手な筈なのに、ここのケーキならいくらでも入っちゃう」
「そう‥良かった」そう言ってユンホさんの長い指が唇に近づいてきた
一瞬のことに、思わず目を瞑ると親指が唇をなぞった
ドキ…ン
「クリーム付いてたよ」そう言って親指をペロリと舐めた
俺は恥ずかしくなって、俯いた
胸の鼓動が大き過ぎて、窓を打つ雨の音も聞こえない
(はぁ…どうしよう…)
「その制服…そこの坂の上の高校だよね?」
「はい‥そうですけど‥」
「やっぱり‥そう言えば、君の名前聞いてなかったね?」
「あ‥はい、俺‥ジェジュンです…キム ジェジュン」
「ジェジュンか‥俺はチョン ユンホ…ユノって呼んで?」
「ユノ、、さん?」
「ああ、みんなそう呼んでる」
「‥分かりました」
「「…………」」
暫く沈黙が続いた
「雨‥なかなか止まないね?」
「そうですね…」
「ジェジュンさ、バイトとかしてる?」
「あ…いえ、まだ‥ 探してるんですが‥」
「そう‥なら、うちの店で働かない?」
「え?!良いんですか??」
「ああ。バイトの子が一人辞めちゃってね‥それに君可愛いから、すぐに人気が出ると思うよ?」
「え・・・?」
「あ、イヤ・・こっちの話。で?来れそう?」
「はい、本当に俺でいいんですか?」
「ああ。君に来てほしいんだ」
「ありがとうございます!!」
「じゃあ、決まり!いつから来れる?」
「あ‥いつでも…」
「じゃあ・・早速、明日から来れるかな?」
「はい・・」
気が付くと雨はすっかり止んでいて、うっすらと虹が掛かっていた
最初のコメントを投稿しよう!