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2.バイト先の仲間
「今日もバイトだるいなあ。お金がありゃ、働かなくていいのに」
そんなことを思いながら、バイト先の宅配ピザ店に向かい、入口のドアを開ける。
「おはようございます」
気持ちを切り替えて、元気よく言うと、同じ言葉が店じゅうから帰ってきた。
夕方なのに、バイトに入るときは、おはようと言う。最初は違和感いっぱいだったけど、もう慣れた。
夜の九時半にシフトが終わり、店裏の休憩室にいると、同僚の裕子がやってきた。
「おつかれ。城田くんも九時半上がり?」
「そうだよ。お疲れ様」
「なんか、暗い顔してるよ? 悩みでもあるの? 好きな人できたとか?」
「うん、好きな人じゃないけれど、悩みはあるよ。お金がないんだ。お金があったら、働かなくていいのにな、と思って」
「分かるよー、私もお金ないもんね」
「どうしたらいいかな?」
「ん? そんなの私には分かんないよ。良い方法あったら、私がやってるよ」
「そうだよねー」
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