どちらを見つけるのか

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どちらを見つけるのか

 ナニカを失った時、それが仕事であれば絶望が襲うだろう。 人間は働かなければ生きていけない可哀想な生き物だ。野生に住む動物のように、残飯を漁る事も、自分より弱いものを狩る事も許されない。 ただ残された道は、救いの光を見つけるか。 救いの闇を見つけてしまうか、かもしれない……。 手を差し伸べてくれる者は早々いないと考えるだろう。 そんな奇跡、中々ないのも事実だ。けれど、苦しいなりに足掻くのも何処かで光を見つけられるかもしれない僅かな切符かもしれない。 闇を見つけても、その闇に手を伸ばしかけても、掴むことを躊躇う者も居る。 躊躇わずに手にしてしまう者も居る。 躊躇いながらも自分を否定し、居る価値さえないと追い込まれてゆく中その闇に手を引かれたい一心に悩み、心を病みそれでも無理して動く事が少々は可能なのが人間である。  仕事は生きる上で必要なのに、それを与えられることもされない者も居る。 なんて理不尽なんだろう。これでは、光を見つけるよりも闇を見つけてしまうものが多くても当然だと思うのだ。 「……ああ、死にたい」
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