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動かなければ変わらない? 動いても変わらない?
ナニカを失った時、それが娯楽であれば絶望が襲うだろう。
娯楽なんてなくたって死にゃしない。そう一部の人間は笑うだろう。
それに分類されない更に一部の人間にとっては思考が停止するくらいのショックなのに、人それぞれだと人間はとくに言う癖に、こういう時だけは嘲笑う生き物だ。
「新しく出た月刊ミステリアス、廃刊になるらしいよ」
誰かが言う。
「やだ……、ヒーロー彼氏サービス終了だって! ショック!」
広い世界に蔓延する娯楽という一部の人間を、生き物を満たす存在。
それらが何らかの形でなくなってしまうと、その大半は悲しみ、ショックを受ける。中には平然と出来る者もいる。
その事実はすぐさまネットの世界では広がって行く。
ピコンッと軽快な音が通知する。
人々は個々に小さな画面端末で情報を日々確認する。
《月刊ミステリアスあまり評判良くなかったらしいよ》
《えー、だってまだ2ヶ月だよ?》
《今日も寒かったーお風呂行ってくるよ♪》
《かあちゃんが宿題やれってうるさい》
《PR:これ一本でなめらか肌!》
《ミステリー系の漫画小説特集って結構時代古く見られたんじゃない?》
《今の子オカルトとか興味なさそー》
《でも早すぎだよ、知永センセの「私の中の……」の続き知りたいし、単行本買う予定だったのに》
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