四章

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「最後にもう一度だけ、聞くよ。誰の命令で、私を追ってきたの?」 「そこまでだ、琴把。その人を離せ。」 「ああ?……随分偉そうな口を利くね、糞野郎。」 首だけで振り向いて、声の主を睨み付ける。 「迎えに来た。」 「誰がついていくか、私は私の道を行く。お前はお前で、世界でもなんでも救ってくるがいい。その過程で、お前が現実に押し潰されて心が砕け折れようが、私の知ったことじゃない。」 「手足を折って、無理矢理にでも連れ帰る。“我に勝利を”『湖精星剣(エクスカリバー)』!」 「問答無用って訳ね…上等、ぶちのめしてやる。“滾れ”『至高神血(テオス・イコル)』!(イ:あいまむ!)」 「主様!」 「下がっててツヴァイ!達兄と樹姉を守れ!」 駆け寄ろうとしたツヴァイを制して、力強く地面を蹴る。 「一先ず──」 「っ、速─!」 「ここじゃ観客(ギャラリー)が多すぎる。互いに全力が振るえないのでは意味がないし、場所変えようか。」 胸ぐらを掴み軽々と持ち上げ、剣を振ろうとするより早く放り投げる。それを追うように建物を蹴って跳躍し、街の外目掛けて力任せに殴り飛ばした。 「琴把?!」 「ごめん、樹姉。せっかく色々用意してもらったのに。あいつぼこぼこにぶちのめして、すぐ戻ってくるから。」 そう告げて、風のような速さで走り去った。
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