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「同期開始…神血核に接続…記録参照………ああ、はいはいなるほどな。」
抱き上げられたツヴァイが、琴把の胸に頭を押し当てる。見開いた目の周辺に電子基板のような模様が浮かび、数秒後納得したように頷いた。
「理解した?ツヴァイ。」
「記録情報掌握完了。バッチリやで、主様。」
「………その子、本当にイコルちゃんなんだね。」
「樹姉、今更?」
「さっきも見せたやん、うちの腕が刃物になるとこ。うちは至高神血の予備タンクで、同時に自立行動可能な端末や。」
「うぅむ、面妖なことだ。」
言葉を交わしながら、四人が遠ざかる。
戦う術を失った誠司が、その後ろ姿を見送った。
「敵わないなぁ……。どれだけ遠いんだろう?」
『我が担い手ともあろうものが、そう弱気になるな。……と言っても、無理もないか。我もあれほどの打撃は初めて受けた。『遠き理想郷』越しに担い手たるお前の内臓をかき回したあの一撃もだ。目覚めてより500年あまり、ここ最近は新鮮なこともなかったが、うむ、実に新しい。』
「『湖精聖剣』、お前喋れるの?」
『忘れたか担い手。我、最初にお前に力を授けたときも普通に喋っておったぞ?先程我を打ったあの娘の魔武装同様、我も自我があるのだよ。……我は魔武装ではないがな。』
「じゃあ何なの?」
『星が産んだ、選ばれし者にのみ振るえる抑止力だ。とくにこれと言って名前はないが……強いて名付けるなら、界造兵装とでも言おうか。我は決して折れぬ星の聖剣である。担い手、そなたは我に関してはそれだけ知っておれば良い。』
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