8人が本棚に入れています
本棚に追加
千葉に居たときは、ラーメン屋の配達をやり、バイクや
車に乗っていた。今は徒歩で済ませている。
新聞配達を一年ぐらいやって、上司からタウン誌の記者
をやらないか、と話があった。
仁は、新聞配達より、記者の方がカッコいいので、すぐに
Okした。収入がどれぐらい得られるかなんて考えなかった。
その会社は、市役所の側にあった。十階建てのオフィス
ビルで、五階と六階を借りていた。
「宮川日々新聞」という名前。五階に編集部があり、十五名
程の記者や校正者、事務員が働いている。
仁は、見習記者となり、飲食店関係の記事を書くことになった。
タウン誌は毎月一回発行され、配布は新聞折込、店舗設置
方法で行われている。
仁のデスクの前に校正担当の近藤が居る。三十五歳ぐらい
の女性。身長が高く、痩せている。青白い肌。端正な顔立ち。
結婚しているが子供はいない。
家庭の話はほとんどせず、夫の職業は判然としない。
最初のコメントを投稿しよう!