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こまり「福山さんは前どこに住んでたの?」
輝「輝でいいよ!前はね・・・」
男は黙々と飯を食べ、女は会話に花を咲かせる。
こまり「いや、いつも思うけどあんたら一緒に食べてるのに会話一つないよね?」
こまりは少し呆れながら男達を見る。
夕「この弁当ボリュームがあるんだ。どんどん食わないと間に合わない」
和紀「食べながら話すのは苦手だ」
こまり「せっかく福や…輝が居るんだからね」
夕「それもそうだね」
一気に弁当をかっこみ、両手を合わせる。
和紀「しかし、この時期に転校なんて珍しいな」
輝「あ、あー、それはちょっと両親の都合で」
輝は少しだけ目を逸らしながら答えた。
和紀はそれに対して違和感を感じたのか、そうかと一言言って、残ってる弁当を食べ始める。
夕「福山さん、ちょっとだけ確認したいんだけど」
輝「え、なに?」
輝がこっちを見た瞬間景色が揺れた。
朝にもあった違和感と同じ、でもこれもまた気にせず口を開けた。
夕「朝、俺と会った?」
これは何故か聞かないといけないような気がしていた。
輝「え、会ってないよ?」
輝の目が少し揺らぐ。
これは彼女が何か隠し事や嘘を付く時の仕草なのだろうと判別できる。
こまり「夕くん、もしかしてナンパ?いつも可愛い娘隣に置いてるくせに~」
夕「人聞き悪いよ!?」
和紀「気がついたら女の子に声かけられてんだよ、天然たらしめ」
弁当を食べきった和紀は俺に渡した弁当も回収した。
輝「へぇ、安藤君はそんなに女の子にモテるんだ?」
輝が目を輝かせながら聞いてくる。
その目は…まるで全てを呑むような雰囲気だった。
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