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朝、親の喧騒もなく起きる。
今日から手に入れた自由、親父の出張に付いていく母親。
まるでゲームの世界のような自由を安藤夕は手に入れた。
そしていつものように制服に着替えて学校へ行く支度をする。
適当にパンを食べていると家のチャイムが鳴る。
「せんぱ~い!起きてくださ~い!学校ですよ~」
元気で明るい声の女の子が家のドアを叩く。
夕「はーい、今行くよ」
無理矢理パンと牛乳をかきこみ、何も入っていない鞄を握ってドアを開ける。
そこには向日葵のようにニコニコ笑う女の子がいた。
「せんぱ~い、遅いですよ~?」
夕「まずはおはようだろ、れゆちゃん?」
れゆ「えへへ、そうでした!おはようございます先輩!」
この子は践星(ふみほし)れゆ。
1つ下の後輩で家が近いため、ほぼ毎日俺を起こしに来てくれる。
夕「おはよう、れゆちゃん」
頭を撫でると子犬のように手に頭を擦り付けてくる。
撫で続けると遅刻してしまうため、適当に切り上げ、玄関から一歩踏み出そうとする。
足を上げた瞬間小さな違和感を感じた。
だがそれを気にせず、玄関から出た。
-◯◯××、開始-
ふと聞こえた謎の言葉は風のように通りすぎ、いつも通りの音が聞こえ始める。
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