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あわてて取りに行ってくれるなお君を見送ってから、
紙袋から急いで取り出したブラニーを
テーブルの前に正座して彼を待つ。
「重いね、これ何が入ってるの?
言ってくれれば迎えに……ってどうした?」
「宮直樹君!
「あ、はい」
「ふつつか者ですが、今日からよろしくお願いします!」
「え?」
「……」
「え?」
「……だから、私をもらってください。」
「え~っ」
「……ダメ?」
「だ、だめじゃないっ
ってかいいの?ホントに俺で?」
「迷惑?」
「いやいや、はい喜んで!」
へなへなと座り込んでしまうなお君に、
私は吹き出した。
「プっ……ヤダもう」
座り込んだなお君に抱きついて、
頬にキスを落とす。
「ずっとずぅっと、
一緒にいてね」
「やべ……
嬉しくて泣きそう」
「泣いていいよ」
スマートじゃないマニュアル通りじゃないけれど、
きっとずっとこんなだけど、
でもきっとうまくいく。
だってきっとこれが運命だって思うから。
バレンタインデー
二人の運命を変えたこの日。
私たちの恋は
永遠に変わった。
テーブルの上のショコラノアールとともに
甘くビターに……
END.
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