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「え?昆布?」
「え、いやいや、違う、言い間違えた、昆布じゃなくてコンビニ!
コンビニ行ってこようかな?……
しのちゃんなんか欲しいものある?買ってこようか?」
「は?今?何を買うの?」
「あ。えーと、たばこ?」
「え?誰が吸うの?」
「あ、違うコーヒー」
「え?飲みたいなら入れるよ?」
「あ、大丈夫、大丈夫」
?
「そう?じゃあ、一緒に行くよ」
「ダメ!来ないで、待っててください!ここで!」
「えー、なんでよ!私お菓子見たいし」
「今度にして!あ、でもお菓子は買って来る。何がいい?
ポテチ?ポッキー?」
「見てから決めたいよ?行くってば」
「ダメってば。
ほらそう、荷物、荷物ハンガーとかにかけないとだめじゃないシワになっちゃうよ?
ちゃちゃっと言ってくるから、待ってて。
お願い」
「うん分かった。ポテチのりしおにしてね?」
挙動不審になりつつ焦って出かけるなお君に、
私はただ首をかしげて見送った。
「逃げた?」
まあ、なんか、お互いどうしようかって雰囲気だったし、
しょうがないね。
私は、仕方なく、残された部屋で、
持ってきたスーツケースを開き始めた。
この後、
なぜあんなにコンビニに行きたがったかは、
判明するのだけど、
恋愛初心者の私はまだ意味も分からず、
ただ置いてきぼりになってちょっと寂しいと感じてしまっていた。
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