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しばしの沈黙の後、
なお君は、
「ごめん。
ちょっとデリカシーないよね。
がっつきすぎだって判ってるんだけど、
もしそうなった時、
準備がないのもって……、
退くよね、
マジ経験というものがなくて、
その。もしもって時にってもらったものもあるんだけど、
人のもらったものを使った失敗談とか、
ネットで見たことあって、
やっぱり、自分で用意したほうが安心だし。
や、いいわけだよ。
ごめん」
「ううん。
ありがとう。
むしろ、そういうのうれしい」
「しのちゃんっ!」
「きゃっ。
いたっ」
なお君が抱き着いてくるから、
私はそのまま床の上に転がってしまった。
「あ、ごめん」
「いいけど。
その、ここじゃなくてベッドにしない?」
「あ、うん」
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