3人が本棚に入れています
本棚に追加
その後、私の本は世界中の国の言語に翻訳されて出版され、世界的なベストセラーとなった。
またアメリカ大統領が世界各国の要人と話し合いを重ねて、具体的な核廃絶に向けての調整が一気に加速した。
私は姉の思いを受け継いで、核のない世界に向けて確実に前進している手ごたえを感じていた。
私が本出版後のことをお墓に行って姉に報告すると、霧のように白い煙が沸き起こったかと思うと、そこから姉の姿が現れて私に語りかけた。
「雅はすごいね!
私のやり方は間違っていた。」
と静かな落ち着いた口調で話してくれた。
「お姉ちゃん、私はお姉ちゃんの思いを自分のやり方でやり遂げるから、天国から見ていてね!」
私が強い思いを姉に伝えると姉が優しく言葉をかけてくれた。
「雅、本当にありがとう!
私はいつも雅のことを見守っているからね!」
姉は笑顔で私に手を振りながら言葉を告げると、沸き起こった白い煙に姉の姿がつつまれて、やがて消えてしまった。
その後も核廃絶の考えは世界中に広がっていって、核廃絶だけでなく戦争に関しても多く議論されるようになった。
今は世界中の国々から完全に核がなくなったわけではないが、私はこれからも地道にこの活動を続けていこうと思っている。
姉の思いは今の私自身の希望となっている。
私は私の信じたやり方で、この活動を私の生涯をかけて続けていこうと天国の姉に誓った。
最初のコメントを投稿しよう!