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「空閑さん、それでは米国国防総省のネットワークの侵入口を遮断して、不審な侵入者が使っているユーザIDを消去してください。」
私は神楽さんの指示に従って、米国国防総省のネットワークの侵入口を遮断し、不審な侵入者が使っているユーザIDを消去した。
そのことを神楽さんに伝えると、
「それでは、核ミサイルを制御するサーバコンピュータを再起動します。」
と言って、別の人物に指示をしているようだった。
「空閑さん、これから北海道の稚内に向かいます。
一緒に来ていただけますか?」
私は事情がよくわからなかったが、神楽さんの指示に従うことにした。
神楽さんの案内で施設を出るとヘリポートがあり、ヘリコプターに乗って御殿場の陸上自衛隊の施設に入り、ここで自衛隊の物資を輸送する飛行機に乗り換えた。
飛行機で移動中、私はハッカーの侵入手口を思い起こすと、どこかで覚えがある侵入手口だと感じたが、はっきりとしたことは思い出せなかった。
そして1時間ほどすると稚内の航空自衛隊の施設に到着し、さらにここで私は神楽さんと車の後部座席に乗り換えた。
「空閑さん、ハッカーの居場所わかりますか?」
私は神楽さんから渡されたノートパソコンを使って、ロシアのサーバコンピュータに再度ハッキングして侵入した。
そして、このサーバコンピュータに接続している端末の場所を特定し神楽さんに伝えた。
神楽さんが運転手に指示をしてハッカーの居場所に向かうと、私の乗った車を追跡するようにさらに2台の車が後方に続いているようだった。
少し車を走らせると牧場が見えてきて、さらに車で20分ほど走るとロッジが見えてきた。
私の調査では、このロッジで端末が操作されていると思われた。
「このロッジだと思います。」
私が神楽さんに伝えると神楽さんの指示で2人の男性が玄関に行き、他の男性がロッジを取り囲むように配置された。
男性は皆、拳銃を持っているようだった。
玄関の男性がチャイムを鳴らすと1人の女性が出てきた。
私はその女性の姿を見て衝撃を受けた。
その女性というのは、私の姉だった。
姉は観念したようで、抵抗することなく男性の指示に従っているようだった。
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