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「お姉ちゃん」
私が手錠をかけられて連行されている姉に声をかけると姉が、
「雅なの?
まさか雅に私達の計画を止められるとは、思ってもいなかったわ!」
と私の存在に驚いて言葉をかけてきた。
姉は車に乗せられて、そのまま警察に連行されるようだった。
また、姉と行動を共にした仲間の男性2人も手錠をかけられて車に乗せられた。
私が神楽さんに姉のことを伝えると、
「実は、今回事件を起こしたハッカーは以前から警戒されていて、空閑さんのお姉様ではないかと予想していました。」
という話をしてくれた。
「姉はどうなるのでしょうか?」
私が神楽さんに質問すると、
「裁判になると思います。
裁判の結果はどうなるかわかりませんが、今回は未遂に終わっていますので重罪にはならないと思います。」
と率直な意見を教えてくれた。
事件から1ヶ月後、私は姉が収監されている網走刑務所に行って姉と面会した。
「お姉ちゃん、体調は大丈夫?」
私が姉の体を気遣って質問すると、姉は頷きながら落ち着いた口調で、
「えぇ、大丈夫!」
と少し笑顔で答えてくれたが、どう見ても私にはとてもやつれたように見えた。
私がなぜ姉が今回の事件を起こしたのか率直に聞いてみると、姉は核ミサイルがあるこの世界は何か間違っていると感じていて、核ミサイルを制御するサーバコンピュータを破壊しようとしたようだった。
私は姉が核ミサイルの発射を企てているのではなく、核ミサイルを制御するサーバコンピュータを破壊しようとしたという話を聞いて少しほっとした。
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