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「その証拠に、通信簿、小学校一年生から◎か5以外とったことないでしょう」
「だって簡単すぎて、テスト問題見ただけでぜーんぶわかっちゃうもの」
「勉強しなくてもいつも百点、でしょ」
「確かに教科書なんてまともに読んでないのに、なんでかなぁ………」
「幼稚園の年少組でみんなで木登りして、枝が根元から折れて落っこちた時、一緒に落ちた僕とひーくん、まきちゃんは地面に転がって擦り傷つくったのに、月夜ちゃんはどうだった………」
「うーん覚えていない」——本当に忘れていた。
「僕はしっかり覚えている、空中で二回転して見事足から着地した」
「そ、そうだったっけ………」
「そんな事できる年少さん、全国的に見ても他にいないよ」
「………」
「ほらね、まだまだ一杯あるよ月夜ちゃんの超能力」
「いっぱい…? 」
「うん、忘れちゃ困るからいつか必要になると思ってノートにいっぱいメモしてる、大学ノート5冊にびっしり書いてあるよ」
「えーっ大学ノート5冊にびっしりですか………」
「うん、いいかよく聞けよ月夜ちゃん」
「う、うん」
私は鉄ちゃんに圧倒された。
「君は特殊な能力を持つ選ばれた人間だ! 」
私は何がなんだかわからなかった、私が選ばれた人間?
誰に選ばれたの?
どうしてそんな事できるの、確かに冷静に考えてみると普通じゃ無いことをいっぱいやってる。
えーっ、えーっ………と、私って何者?
きゃーーーーーーなんなのなんなの、さっぱり分からないよ。
でも、でも、でも………ただ一つ分かったことがある。
鉄ちゃんは私以上に私の事を気にかけ、観察、いや、私を理解してくれていることだ、ずーっと傍にいてくれていることだ。
そう思った瞬間、私の瞳から涙が、ぽろぽろぽろぽろ………ながれ落ちた。
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