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「わ、わ、ごめん、月夜ちゃん、ごめんごめんごめん」
「なんで謝るの? 」
「ハンカチハンカチ、どこだっけ」
「左のズボンのぽっけに入ってる」
「そうっか、って、なんでわかるの? 」
「知るもんか、えーんえーんえーん」
私はとうとう、声をあげて泣き出した。
「は、はい、月夜ちゃんハンカチ」
鉄ちゃんはズボンのポケットからくしゃくしゃのハンカチを取り出すと私にくれた。
「あんがと」
くしゃくしゃのハンカチで涙をぬぐうと、チーン、ついでに鼻もかんでやった。
と、そのときだった園長先生が血相変えて部屋のドアを開けた。
「やっぱりここだった、月夜ちゃんお客様よ」
「お客様? 私に………」
「そうよ、ママと一緒に来てちょうだい」
園長先生はまだ涙の乾かない私を立ち上がらすと、拉致するがのごとく引きずっていった。凄い力だった。
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