三月

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【前作からの総括的俺ンゲリオン】 先ず、エヴァとは【繰り返し】の物語である。 ループ説、を取り上げるまでも無く、『生命』の繰り返し、創造と破壊、そして再生の話であると言うは大前提。 そこへいつの間にやら、滅びと再生、死と新生がただ『同じことを繰り返す』だけの『ループ』に入った『碇シンジの世界』となって、閉鎖してしまった。 それが旧作からエヴァ序→旧作ラストと言うループ。それが【破】によって初めて、過去のループではない、別の世界線へと行を移し【Q(急)】へと至ったのが、一連の『新劇場版』の流れだと考えている。 が、別世界へのルートは、旧劇場版(以下、旧劇)ラストから始まっていると分析している。俺ンゲリオン的に。 旧劇以前は恐らく、仮称『碇シンジa(以下シンジa)』は、『補完』において、『人のカタチ』を選択しなかった。つまり、一つの『生命の源』へ還元され、再び繰り返す『世界』で再誕する『閉じたループ』に戻っていったと。 で、シンジの世界にはもう一つ『生命の源』がある。エヴァンゲリオンである。 元々、生命の源として言及されていた『アダム』『リリス』は同一存在、それぞれが命と知恵を象徴とする存在で、合一することで『生命の樹』に還元する。 本来なら、世界はアダムとリリスの合一と別離を繰り返す事によって生命の誕生と滅びを繰り返していたと考えられるが、その永遠とも思える繰り返しのループにイレギュラーが発生する。 それがエヴァンゲリオン。旧約聖書に於けるアダムの妻、イブであり、ここで初めて宇宙に満ちる生命とは異なる生命体が生まれた。 リリスを祖とするリリン(人)では無く、アダムを祖とする使徒ではない、自己の意思を持たない不完全な生命体、人造人間エヴァンゲリオンこそが、劇中、新たなる『生命の源』として完成する、世界改編の『トリガー』となるのが、TV版から旧劇に繋がる『物語』であると言うのが、俺ンゲリオン。 ちなみに、何故エヴァが新たに生命の源となり得たのかは、旧劇のラスト、シンジと母親のユイとの別離を見てほしい。 ユイはエヴァの中に残り、広大な宇宙に人として生きた証を残すことを選んだ。それは一見永劫と思える長い時間をエヴァと同化する事で生き続ける事のように思えるが実は、ユイは孤独ではない。 お忘れかもしれない、夫たる碇ゲンドウの最後を。そう『初号機』に食われ、『取り込まれ』たんだよ。 構造的にはメンヘラな妻、ユイが夫ゲンドウを愛するあまり、食っちまいました〜テヘペロ♪に見えるが、これによって人の生きた証、男と女を取り込んだエヴァンゲリオンが『新たな生命の源』として『完成』する。 要するに、次の生命の苗床となる地に辿り着くまで、エヴァ初号機はラブラブ・バカップル夫婦の、愛の四畳半となったと…… ↑これがTV放送時の最終回、ラブラブ夫婦の立ち絵、主に父親がシンジに向けての『おめでとう』と。 ……勢いに任せてブッチギリすぎたが、後悔はない。 では、旧劇のラストは何だったのか。と言うと、あれは初めて『人でありたい』と願った仮称【碇シンジb(以下シンジb】と仮称【惣流・アスカ・ラングレー】二人の心残り【未練】のカタチである。 あの名台詞【気持ち悪い】以後、彼らはどうなったのか。多分、如何にもならなかっただろうね。崩壊した世界、他に人がいるとは思えない絶望的な状況で、恐らくは失意のうちに二人は死を迎えただろう。 そして再び生命の源に還元され、不完全ながら世界の新生、『ループ』が始まり、新劇場版【序】へと、物語は新たな【行】へって言う。
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