三月

3/4
前へ
/51ページ
次へ
【新劇場版とは・エヴァンゲリオンとは】 一連の作品群におけるエヴァンゲリオンとは【碇シンジの物語】である。それは多分、明日の公開で明らかになるだろうと思うが、まあそれすら今のところは、俺ンゲリオンの枠を出ない。 俺ンゲリオンの話しを続ける。新劇場版のみピックアップして考えるなら、旧劇のシンジbの『未練によって再構成された』世界として展開する。これはシンジbの願いを叶えるための話しであり、旧劇のラスト以後、死んで生命体の源に還元されたシンジbが新たに【碇シンジc】として生を受けながら、シンジbの【願い】に無意識下で干渉を受け、前作の『最悪の結末=失意のうちの死』を改変する為の、所謂『異世界転生』ものと考えると、理解しやすい。 ちょっと思い出して欲しい、前作からの違いは序盤からよく見える形で提示されている。 例えば使徒の数、ナンバリングのずれ、キャラクターの性格の差異や行動の違い、共有する知識、世界への『理解度』差異、などなど。 シンジはわりと初期から前向きであるし、何かしら『執着』にも似た積極性を見せている。TV版再構成による、エピソードの削除と言った大人の事情を除いたとしても、あの行動力には違和感を覚える。 大幅にキャラが変わったと言えばアスカの変わりっぷりも見逃せないが、一旦、シンジについての話に集中する。 私はシンジbが死んだ際、その魂は何らかの【世界に干渉する力】を得ていたのではないかと考える。 少なくともシンジbはサードインパクトのトリガーとなり、創造主と接触し世界のカタチ、成り立ちを知ってなお、人に立ち戻ることを選択した、稀有な存在であることは間違いない。勿論、アスカaも、些か事情は異なるかもしれないが同様に。 そのシンジが死に望んで、さて今度は『何を願う』のだろうか。それはもう、彼の心残りの解消と『サードインパクトの阻止から始まる世界の改変』だろう。 そしてシンジは全ての生命体と一つとなり、アスカをはじめとする友人や仲間、知り合い達の『心の補完』その有り様を知っている。が、自らが次世代の『創造主』とは、なり得なかった。一度、ヒトに戻ってしまった以上、魂の補完こそ為されてはいても、自らが思うがままに【世界】を作り上げることまでは叶わず、せいぜい【彼らの本意】や願い、心残りの一部なりを反映する程度のことしかできなかった。 その辺がキャラクターの変化に繋がっていると。 で、一人だけ、シンジbにも干渉できない存在がいる。父親、碇ゲンドウだ。彼はエヴァに取り込まれ、母・ユイのもとへ行ってしまっている。故に前世と同質の関係性が再構成されてしまっている。それでもゲンドウはゲンドウで恐らく、前世とは違う形での補完、世界改変を狙っている節が見え隠れするあたり、明日の公開で明かされるのか、俺ンゲリオン的解説を抜きにして興味を覚えるところ。 で、そのシンジbの干渉により、シンジbと恐らくゲンドウの思惑どおり、サード・インパクトを早め、尚且つその完全発動をシンジcは阻止している。 それが【Q】に於ける呼称、ニア・サードインパクトに繋がり、実はシンジcはシンジbの願い通り、サードインパクトによる滅びと新生を回避することに成功しているのだが、当然のことに生き残った仲間や人類達にはそれが分からない。 故の初号機の凍結及び衛星軌道上での幽閉、ネルフとヴィレの対立に発展して、人類は滅亡の淵に立たされていると言うのが現時点での俺ンゲリオン総括となる。 で、Qの話し。14年経って幽閉から解放された初号機と、サルベージされた仮称【イカリ・シンジ(以下シンジd)】は、やはりシンジc、及びbの影響受け、目覚めた直後から前向きであり、戦闘参加に対しても積極的である。 が、そんな彼をクルーは信用しないし、出来ない。現在広がる世界の惨状、そのトリガーとなった初号機からサルベージされた【モノ】が、同じ人間とは思えないから。 それは【アスカ】の存在も一因として挙げられるが、そこは置いといて、サルベージされた直後において、そのモノを碇シンジ(シンジc)として認めているのは唯一、トウジの妹である鈴原サクラだけである。これはシンジdが目覚めて唯一、会話の成立した相手であること、人類の敵としての認識はあっても、シンジ自身に悪意や深い害意を持っていない事の証明であり、それは私が提唱する『トウジ生存ルート』の論拠を補完するものとなっている。 明日、大人になったケンスケといいんちょ(多分トウジのヨメ)がシンジと再会することを期待したい。 これはQに於けるBD・DVD版の次回予告、『シンジが見出す希望』の一つであって欲しいと言う、願望も込めている。 閑話休題 で、明日。完結編?の公開前の冒頭何分かだかの内容、劇場予告CM等に散りばめられたキーワードを読むにつけ、私はエヴァンゲリオンと言う一連の作品群を 『碇シンジの物語』   と定義した。CMでのセリフ『さよなら。全てのエヴァンゲリオン』は、全ての碇シンジが、『エヴァンゲリオンと言う呪縛』から解放され、彼シンジdが満足のうちに『さよなら』を告げる物語になると、私は考える。 で、地に伏したエヴァの残骸と、シンジが守った『セカイ』に呪縛される人々。そこにシンジが見出した『希望』が、と言うのが唯一無二の大団円だと。 その希望が何なのかはまあ、分かるよね。旧劇では得られなかった『未来』とは何かと考えれば。 それは多分、笑う子供の姿。それが誰の子かは言及しない。希望はあるが……まあ、所詮は俺ンゲリオン。ここでの内容全て、多分、外してくれるよな監督は。 ああ、なんか他にも謎が云々、色々考察あるけど多分、劇中では一切説明してくれないと思うよ。最低限の辻褄合わせはしてくれるだろうけど。 内容はともかくとして【碇シンジ】は明日、やっとただの少年から自分の愛し、生きた世界の『神話』になれるんだって思うのよ、私は。 だって、『伝えるものがいなきゃ神話は成立しない』でしょ。本人がそれを望んでいるかは知らないけど。 乱暴な乱文のまま了。これを公開前に公開し、後悔する未来が、私には見えている。 それが、全ての俺ンゲリオン。 補足。日付けが変わってしまったがこれだけは補足。 TV版のラスト、25・26話と、旧劇のラストは『同じ』ものではなく、TV版は『シンジa』のハッピーエンド、旧劇は『シンジb』のバッドエンド。この立ち位置がないと『私の』俺ンゲリオンは成立しない(笑) 蛇足ですまん。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加