6 祭りの私

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6 祭りの私

二次会は大騒ぎであったが、月子は隙を見て帰って来た。恋バナとかが始まり月子も話さないといけないムードだったからだった。 しかも交際相手がいないのは月子と陽平だけだと盛り上がっていたのも彼女を恐れさせたのだった。 そんな不義理をした翌日。 泉美にお詫びのメールをして許してもらった月子は実家の酒屋の手伝いをさせられていた。 この夕方は地元の夏祭りがあり、地域の人は売店でビールや酒を販売するため海老屋酒店はこれを配達することになっており、月子は腰痛持ちの父の手伝いで会場にやってきた。 「こっちこっち」 ……陽平だ。もう、どうして…… 彼の親は地元の役員なので彼はボランティアで運営を手伝っていると話した。 「お前もどうせ終わるまでいるんだろう?だったらボランティア頼むよ」 「うん……」 昔から強引な陽平に負けた月子は運営本部のテントの下で椅子に座ってビールを飲んでいた。 「実はさ。お前にだけ話すんだけど結婚式の前、大変だったんだぞ」 「?」 新郎には以前交際していた女性がおり正式に別れていたが、式の時に妨害に現れたと陽平は話した。 「俺さ、警官だからってなんとかしろって言われて」 「非番なのに?」 「あ?……ああ」 ちょっとだけ会話になったせいか陽平は嬉しそうにしていた。これに月子もホッとしていた。 「それでどうしたの」 「まあ、元カノを説得はしたんだけどさ。あ……お嬢ちゃん。どうしたのかな?」 話の最中に迷子の女の子がやってきた。膝は転んだ跡があった。 「そうか。悪いけど月子、そのマイクでアナウンスしてくれ。俺は救護室に連れて行くから」 「え?」 ……そんな?と思ったが、少女がかわいそうなので月子はマイクをオンにした。 『迷子のお知らせです。5歳くらいの白いワンピースの女の子がいます。保護者の方は本部までお越し下さい。繰り返します……』
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