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しばらく、この穏やかで幸せな時間が続き。
ご飯をよそったり、冷蔵庫を開けて納豆やらご飯のおかずになりそうなものを物色していた次女は、結局まだ二合以上残っていた炊飯器を空にした。
成長期真っ只中の運動部、恐るべしである。
これが男の子だったらもっと凄いことになっていたと思うと戦慄する。
「ごちそうさまでした」
そう手を合わせて食器をシンクへと運ぶ。
水を流してスポンジを手に取り、皿洗いを始める次女。
けど、それもすぐに終わり。
次女は小さく駆け足で、リビングの中央にあるソファーにダイブした。
そして、どこから取り出したのかわからないスマホを弄り始める。
私はそんな次女を横目に掛け時計へと視線を向ける。
時刻は七時十分前。
いつもであれば長女がそろそろ起きてくる時間だ。
次女に起こしてもらおうかと考えるが、口に出す前にそれを否定する。
長女は今年で社会人二年目、もう立派な大人だ。
今年高校二年生になる次女とは訳が違う。
たとえ、寝坊したとしてもそれは自業自得だ。
実家暮らしとはいえ、いつまでも甘やかすわけにはいかない。
とはいえ、過剰に心配してしまうのは私が娘離れ出来ていない証左なのだろう。
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